梅雨はどうもいけない。曇天、雨続きで気分が鬱々としてくる。鬱々が積もり積もると、頭の中を駆け巡る旋律も自ずと鬱々としたものになってくる。長調に乗れない。この季節に決まって出てくるのがGustav MahlerのSymphonie Nr.6である。一般に言われる「悲劇的」である。出だしの重い弦バスの4拍子がそのまま不安を煽る鼓動に繋がる。この際気分を変えてもっと明るい曲でも聴けばよさそうなものだが、よせばいいのにわざわざ総譜を取り出して1楽章から追跡を始める。どうも梅雨時は鬱に満ちていていけない。
故ベルティーニのマーラーチクルス、生でこの6番を聴いたのが遥か昔に感じられる。