これがご飯のおかずのメインになるわけではない。とりたてて栄養素に優れるわけでもない。偏に食感と風味を楽しむ、日本ならではの食し方であろう。旬の筍が食卓に上がった。季節感溢れると言いたいところだが、今年はどうも様相がおかしい。季節の物事の順序というものが悉く崩れてしまっている。何故に筍より先に西瓜が店頭に出回るか。筍が登場する頃には春の魚は既に遠のいて鰹が出回る。どうも季節感が伴わないというのは悲しい。冬の次は春であって、いきなり初夏、夏では春の立つ瀬がない。日本にいながら、一番の季節を味わえないというのは悲しい。