とかく没個性化しがちな昨今の世の中である。元来農耕民族たる日本人社会では、沈黙が美徳とされる風潮があるようで、機内食でチョイスを尋ねられても隣の友人に何にする?など意見を求めたりするものだから、誰が何と言おうと俺はこっちが食いたいという強力な自己主張がすぐに出てくることが少ない。音楽業界もまた然りである。業界で著名な音楽教室でたまたま見かけた標語がこのことを如実に物語っている。曰わく、
自己がない、そんな毎日嬉しいな。
なるほど、音楽は楽譜にかかれた通り忠実に、己が感性や感情を差し挟まずに毎日練習しさいという標語、流石である。
沈黙は金らしい。